令和3年
11/10 庭の遊具
塾の子にブランコつけてとせがまれて高木に登る妻に内緒で
高枝に掛けたるブランコ乗りたいと塾の子ジャンケン賑やかなこと
滑り台も欲しいとの声聞きながらはや青写真頭に浮かぶ
丹念に組み立て塗装施しぬ喜ぶ子らを思い描きて
決めつけにシーソーつけてやりたいと材料揃え組み立て始む
10/4 清水の滝
妻を待つ時間に訪ねし清水の滝の威容に圧倒さるる
滝行を好みし身なれば今日の日に準備なきこと悔しきばかり
滝行で斃れし人の碑を仰ぎさらなる注意心に刻む
9/12 大蜘蛛
部屋に来た大蜘蛛無事に逃がさむと声かけ寄れど逃げ足速し
何故か蜘蛛怖がりし 父なればきっとこれ見て腰抜かすかも
逃げ疲れ動かぬ蜘蛛を紙に乗せ無事を祈りて外へとそっと
8/16 教室再開
待つほどに日焼けした子らバタバタと教室入りぬ盆明けの夕
「どうだった」と夏休み問う吾に「つまんなかった」と つれない返事
思い出を短歌にしようと促すも子らの鉛筆止まりて動かず
8/5 滝遊び
久々に訪ねし滝で遊ぶ子ら声をそろえて「こんにちは」と言う
滝壺で興ずる子らに加わりて我も遊べり歳を忘れて
両岸の岩場より伸ぶ樹々の下谷間に抜ける風の涼しき
8/3 膝痛
今度こそ膝痛取らむと様々なサプリ試せどなんら変わらず
サプリ飲み貼り薬までして効果待つなれど膝痛昨日と同じ
さまざまな膝痛除去の試みの果てに気づけり嫌がる心
6/27 書道練習
早朝の練習成果飽き足らず食後再び清書に挑む
6/11 老化
年取るは退化に非ず進歩だと言い聞かせつつ脚を引きずる
現役の人の挨拶聴く度に感心ばかりの我に気づけり
1日にできた仕事は少なくも「いいのよそれで」と妻は優しき
6/5 書道
「書の道は我を捨つるの鍛錬道」と言われて久し今日も筆持つ
悪筆を恥じて幾年過ごせしも古希過ぎ墨する我のおかしき
「これ見て」と妻の差し出す書道誌に我の作品驚き見入る
5/3(月)
制止する妻の言葉を背に聞き土手に降り立ち野イチゴつみぬ
大きめの野イチゴ妻に手渡せば口に運びて「甘い」の一言
新緑の野道を妻と散歩する今のひと時愛おしみつつ
3/21(日)
愛犬は予防接種を前にして我に擦り寄り身体撼わす
3/18(木)
友の家かつて囲みし森の木々切られて家は裸となりぬ
友逝きて人手に渡りし旧宅は開発の中寂しく佇む
3/17(水)
屋根の上鳥のフンかとよく見ればどこから来たるや桜の花びら
去年の春見る人なきまま散り行けし桜今年も開花始まる
3/4(木)
退室も構わぬものと心決め保護者と面談全て収まる
3/2(火)
歯医者での診療の間に昨日の悪寒戻りぬ風邪抜け切らぬか
寝床から妻の朝塾送り出し風邪払わむと再度休みぬ
3/1(月)
ご馳走を前に我慢だ歯が痛む明日一番に歯医者に行かむ
2/26(金)
独立のインパネできてエアシムが更にリアルに執念実る
不要だと廃棄予定の旧スマホ新たな役目ナビに変わりぬ
2/18(木)
中学に進むも親はこれからの様子分からず一人っ子なれば
積雪で運転無理と成人のクラスに中止のメールを送る
2/13(日)
来年度いかにせむかと混成のクラスの親にメールを送る
新人を迎えて歌会久々に活気溢れぬコロナの間にも
2/11(木)
ユーチューブ繰り返し見て妻と共「紀元は2600年」歌う
2/8(月)
久々の朝の集いで会友はつもりし話に花咲かせり
四時間をかけて熊さん大村に書道せむとて野母より来たる
1/29(金) 冬の嵐
昨日のポカポカ陽気押しのけて寒気来たりぬ強風ととも
暖冬に慣れて緩みし老体に寒風刺さる容赦なきよう
ピューピューと吹き荒びたる風音に怯えて愛犬我に擦り寄る
1/27(水)
故障した掃除機捨てるに忍びなく全分解し原因探る
掃除機の内部に断線見つけたりハンダゴテ出し久々使う
ハンダ付け終えてスイッチ入れたれば掃除機回る快音立てて
令和3年 1/20
久々にジョイフル出かけ食事する周りが無人の席を見つけて
平成30年12月 腰痛
何故か腰痛起こり1日を経れど変わらず原因想う
腰痛は寝ても続きて義母上の苦しまれしが思い出されぬ
腰痛で眠れぬままに一日をふり返りつつ寝返りを打つ
病院で見かけしポスター腰痛の因の一つは心にありと
平成30年11月 庭の剪定
森のごと育ちたる木に詫び入れて背丈に剪定老後に備え
老いたれば世話もできぬと覚悟して庭木を切りぬ詫びを入れつつ
心地よき樹陰くれたる木々たちにお礼言いつつ剪定進む
老活の一環だよと言い聞かせ剪定するも未練たらたら
夏の間は樹陰くれたる天蓋もなくなり庭は砂漠のごとし
真夏には木陰くれたる木々なれど別れを告げて剪定頼む
平成30年10月 中秋
中秋の湖畔歩けば満月の水面に映り共に進みぬ
連日の猛暑も去りて湖畔には赤き可憐な彼岸花咲く
夏の間に伸びし垣根の剪定に彼岸過ぎれば汗もかかざり
平成30年9月 路傍の老人
軒下の日陰に座り老い友と昔話に花を咲かせり
若き頃外国旅行で見かけたる路傍の老人今我が姿に
古希なれど老人会ではまだ若年未来を語る人でありたし
平成30年8月 夜の散歩
満月に映える水面を眺めつつ行く夏思う今日は早処暑
灼熱を避けて夕べに散歩する人の多さに愛犬怯ゆ
愛犬と我ら夫婦のそれぞれに嫁のくれたる心嬉しき
平成30年7月 夫婦喧嘩
些細なる小言を言えば妻からの倍返し受け怯む他なし
カウンターパンチを受けて気づかさる妻への感謝忘れし今を
金婚式過ぎても時に喧嘩して夫婦関係また新たなり
平成30年7月 梅雨明けの朝
街並みの先に広がる大村湾梅雨明けの朝波ひとつなし
街並みに朝の陽じわじわ広がりて日陰の部分しぼみ消え行く
高台で見晴らす我に背後から「綺麗ですね」と声をかけらる
平成30年5月 先輩の死
夢の中訪ね来たりし先輩は挨拶の後忽然と消ゆ
賀状来ずもしやと聞けば去年すでに身罷りたりと初めて知れり
目標と崇めし先輩今亡くも脳裏9に浮かぶ姿眩しき
平成30年5月 郡川散歩
川下の遥かな地平に沈み行く夕日拝みぬせせらぎの中
平成30年5月 近所の子
ドアベルに出れば近所の子ら3人我が家の庭に遊びたいとう
賑やかに庭に遊べる子らの声老いづく夫婦に光をくれぬ
子らたちにブランコ作ってやらんとて脚立上れば足下怪し
平成30年4月 金婚式
若き頃不満だらけの妻のこと50年たち今は感謝に
よくもまあ耐えてくれたと50年妻の背中に両手を合わす
子や孫がくれたる寄せ書き眺めつつ金婚式を二人で祝う
平成30年 元旦
初詣終えておみくじひきたれば我は大吉妻は小吉
黎明の鉢巻き山の頂上に人々集い初日の出待つ
山際に掛かりたる雲赤らみてやがて日輪燦と輝く
平成30年1月5日 長男46歳の誕生日
46の誕生迎えし長男を思いて歌詠む妻を待つ間に
子の歳に我は本庁勤務にて激務の日々を過ごしおりたり
46は栄えの歳ぞ恭平君重き責任担いて進め
平成29年以前
書道
悪筆を自認すれどもいつの日か色紙書かむと硯すりおり
師の言葉「書道は捨我の鍛練道」心に刻み今日も筆取る
「練習は日に一度」との箴言に一人早朝硯に向かう
面子などかなぐり捨てて講師たる妻に従い日々書を学ぶ
講師たる妻に見習う書の道はこれぞ実践すなおへの道
我が書見て誰の書かと思うほど変わりし文字に一人驚く
練習を始めし時と比べては変わりし文字にほくそ笑みたり
シルバー英語教室
宣伝に応えて集うシルバーの英語教室顔ぶれ多様
様々な人生を経て教室に集う生徒はみな我が師なり
シルバーの生徒に対し師の我も後期高齢負けじとハッスル
高齢運転者認知症検査
認知症検査に集うドライバー言葉少なに係員待つ
物の名を唱和し頭に刻み込む認知症検査児童の如く
検査では覚えたはずの16画思い出せるは10画に過ぎず
検査終え待合室で結果待つ先のことなど思い描きて
春の嵐
春雷を恐れ愛犬巣を離れ我にすり寄り一夜を明かす
雷鳴におののく愛犬傍らにひな人形の微笑みており
遠雷の徐々に近づき仕方なくパソコン止めて電源を抜く
娘の来訪
工面して束の間なれど娘ら夫婦妻の誕生祝いに来たる
娘ら夫婦睦む姿は妻にとり何より勝る誕生祝
孫のこと語る娘の言の端に愛にあふるる家庭垣間見
老父母を案じて遠路吾子来たる孫の卒業写真携え
子を送り妻は寝具の片付けに我はシム友 迎えて過ごす
束の間の子とのひととき偲びつつ妻の買い物助けて歩く
新学期
新しき子らで賑わう教室で親との面談心もそぞろ
甲子園応援
神戸から夜行で帰りし教え子は疲れも見せず問題取り組む
応援に今夜もバスで甲子園向かうと教え子声を弾ませ